救急車

半年ほど前、土曜日の夕方に突然腹が痛くて痛くてたまらなくなり、一向に良くなりそうになかったので妻に救急車を呼んでもらった。
救急車はすぐには来てくれない。本当に救急の必要があるのかを電話でしつこく尋ねられる。
そしてようやく家に着いても、また一通り同じようなことを繰り返し聞かれる。もういい加減うんざりして、じゃあ自分の足で行きますよって言うと、いやいや、担架に寝てくださいと言われる。わけわからん。真冬だったからとにかく寒い。靴もはいてなかったし。
ようやく出発したけど、近所の病院に着くまでにしばらくかかる。腹が痛くなった時にタクシー呼んでたらとっくに着いてたんじゃないかってくらい。

でも問題はここからだ。救急車を呼ばずに救急病院に駆け込んでも、夜間休日であれば診てもらうまでにおそらく数時間はかかる。インフルエンザが流行っている時の病院の待合室なんて最低だ。もうみんな半分死んだような顔でいつ来るかわからない自分の順番を待っている。
私は救急車で来たので優先的に診てもらったが、それでも検査と検査の間に腹が痛くてその辺をのたうち回っていても誰も相手にしてくれない。別に背中に槍が刺さってるわけでも呼吸が止まっているわけでもないからだ。とにかく冷たいなと感じた。

それから数日後、一歳の息子は40度以上の熱が一週間続き、入院した。救急病院でもらってしまったんだろうか?
コロナ下の現在、救急病院に運ばれることを考えるとゾッとする。診てもらえるのならばまだマシなのだろうが。