鬼怒川温泉旅行記

昼過ぎに鬼怒川温泉駅に到着する。
さすがに空気がひんやりしている。

小腹も空いたし、駅周辺で飲食店を探す。
一人でイタリアンという気分でもないので、そこそこ人が入っているラーメン屋に入り、味噌ラーメン大盛を注文する。
かなり待って出てきた味噌ラーメンは、底の方の麺がほぐれておらず、食べるのに苦労した。味は形容しようのない不思議な味。お酢や胡椒をたっぷりかけてなんとか食べきった。

空は曇天模様だし車も無い。
チェックイン時間までしばらくあるので、吊り橋まで散策に行くことにした。
見下ろす渓谷はとても美しかったが、揺れる吊り橋の上で足がガクガクして震えが止まらなくなった。写真を撮ろうとスマホを取りだそうとしたが、そんなことをしたらバランスを崩してしまうんじゃないかと怖くなって、半分の地点から引き返した。

吊り橋近くのオープンテラスカフェでぬるいカフェオレを飲む。天気はどんどん下り坂。鬼怒川の真上なので気温もどんどん下がっていく。
持ってきたペラペラのウインドブレーカーをはおり、なんとか時間をつぶす。

やっとチェックイン時間になり、部屋に入る。
部屋から見える景色は隣の建物の屋根のみ。
部屋がとても寒かったので暖房を入れるが、ものすごく冷たい風が延々と出てくる。ボタンを強に入れてみると、もっと寒くなった。
フロントに確認すると、今は未だ全館暖房入らないんですよとのこと。早く言ってくれ。
体が冷えきってしまったので大浴場へと急いだ。急ぐあまり、マスクをつけたまましばらく浴槽に浸かっていた。

夕食朝食はブッフェスタイル。
男性一人の客がちらちらいる。
食い散らかすという表現がぴったりくるほど、みんな取り放題、食って散らかし放題。
SNSに投稿するために料理の写真を写すのはわかるが、なぜか食べ終わって散らかったテーブルの上を撮影しているおじさんがいた。しかも写真だけでなくビデオまで。

深夜、寝汗をかいて起きてしまった。
体が不快なので、部屋に付いている風呂に入ろうと蛇口をひねると赤茶けた水が出てきた。
一瞬わーっと驚いたが、これは温泉だからこういう色なんだと寝ぼけた頭で思う。
いやいや、鬼怒川温泉は無色だ。
だとするとあの水は?危なく浸かるところだった。

退館するまでに合計5回風呂に入り、よくわからない鬼怒川温泉旅行は終わった。