寝かしつけのゴットハンド

子どもの寝かしつけはずっと妻の仕事だった。

別に2人でじっくり話し合ったわけではなく、自然とそうなった。

子どもが生まれてからしばらくは、いつも妻ばかりに寝かしつけをさせるのは悪いなという思いで、私も何度も試みた。

でも何度やっても上手くいかない。抱っこしても泣き止まないし、やっと寝たなと思っても布団に置くとまた泣き出してしまう。

ずっと抱っこしていると腕が壊死しそうになってくるので、万馬券を狙うが如く、もしかしてと期待してさり気なくスッと置いてみるものの、案の定「ギャー」と泣き出してしまう。まるで餅つきのように、置いては持ち上げを繰り返す。

時間をかけて寝かしつけに成功したなと思い、布団に置いた際にまた泣き始めた時のショックは、まるでファミコンロールプレイングゲームを長時間続けた後にセーブするのを忘れてまたやり直しする時のような気分だった。

 

息子も1歳半になり、最近はなぜか私が寝かしつけを担当することが多くなった。

私の寝かしつけ方法は、自然農法ならぬ、自然寝かしつけ。なるべく抱っこはしない。部屋の電気を暗めにしたり、布団の上で絵本を読んであげたりするものの、眠くてフラフラになるまでは最大限動き回らせる。そしていよいよ「これは寝るな」と見計らったタイミングで電気を全て消して掛け布団をかける。すると「ぐー」っといびきをかいて眠る。

 

限界まで疲れれば赤ちゃんは眠るという仮説は正しいか?

一人目の子どもなので未だ仮説は立証されていない。